随分とひさしぶりに革の入荷情報です。
前回(…初回です)が’23年12月なので、一年以上、革の入荷についての発信をしていないことになりますね。
その間にも革の在庫の入れ替えはあるのですが、なかなかそこまで気が回らず、随分と間があいてしまいました。
お客さまからも「もっと気楽にブログを更新してみては?」とおっしゃっていただいているので、これからは少し短めの文章をマメに投稿していけたらとも思いますが、読むのも書くのも長文が好きなので、難しいかもしれません。
さて、前置きはこのくらいにして、革の紹介です。
前回はオーダーでお選びいただける革をメインにご案内させていただきましたので、今回は靴作り教室で使っていただける革を紹介したいと思います。
※前回の投稿は下記からご覧いただけます。
ステアシュリンク3
オーストラリア産のステア(成牛の革)をタンニンなめしで鞣して、シュリンク加工を施した革です。
シュリンクレザーは生徒さんにも好きな方が多いので定番で仕入れているのですが、注文ロットが大きくなってしまったり、価格が高くなってしまったりで仕入れ先を変えて、今回で3種類目の革となります。
色は染料で入れているので自然な風合い。
シボは細かく繊細な印象です。
スムースレザーとは違った表情の靴になりますし、他の革とコンビで使うのもおすすめです。
柔らかいので作業しやすい反面、伸びやすい革でもあるので、足のボリュームがある生徒さんはライニングを牛革にするなど工夫すると良いかと思います。
ワックスキップ
こちらの原皮はアジア産。
比較的小さめの革なので、「キップ(仔牛の革)」としましたが、アジアの牛革はもともと小型のものが多いので、ステアかキップが判別しづらいところです。うっかり革屋さんに聞きそびれてしまったので、今度聞いておきますね。
オイルをしっかり入れて、その後、銀面(革の表面)にワックスを施した革です。
少し曇ってみえるのがワックスで、これが使っていくうちに内部に染み込み、艶が出てきます。
ワックスレザーは昔からありますが、靴で使われることはあまり多くありません。
ワックスが入った革は靴に向かない硬めのものが多く、たとえ適度な硬さのものがあっても、製作過程で叩いたり引っ張ったりするうちに変化が進んでしまうからではないかと思います。
こちらの革も例外ではなく、作業中に革の表情はどんどん変化してしまいます。
工程にもよりますが、もしかすると完成時にはワックスが残っていないということもあるかもしれません。
オーダーの靴の場合は、どのような仕上がりになるか分からない革は怖くて使えませんが、教室の生徒さんでしたら、そのあたりも楽しんでいただけるかと思い、仕入れてみました。
気軽に革を使えるように
前回の締めくくりも物価高に言及していますが、あいかわらずその状況は変わらないまま。
靴作り教室は趣味で製作している方が多いので、材料費が高くなりすぎてしまうのも申し訳ないなと思っています。
そんなわけで、仕入れる革は自ずと価格設定を抑えた革になりますが、それでも魅力のある革を日々探しています。
「こんな革があったらいいな」というリクエストも受け付けておりますので、生徒のみなさまはご要望ありましたらおしらせください。期待に応えられるかは分かりませんが、仕入れられる努力はしてみます。
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