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写真集から得られるものとは

2020年、2021年に緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が発出された頃から、写真集を買うようになりました。
外出自粛のため、家での楽しみを増やすということもありましたが、きっかけはもうひとつ。
それはネットで見かけた陶芸家の方の投稿でした。

今では詳しい話は思い出せないのですが、ある陶芸家の方がギャラリーで個展を開いた際のお話だったかと思います。
その方が自身の作品についてギャラリーの方とお話した際、「写真集はご覧になりますか?」と聞かれたそうです。陶芸家の方はそれまで写真集を開く習慣がなかったので、そう答えると、「写真集も見てみると、より良い作品になると思いますよ。」とアドバイスをいただいたというお話。

細部は忘れてしまったので、本当にざっくりとしか書けないのがもどかしいですが、その投稿を読んで、衝撃を受けたことはよく覚えています。

アドバイス内容の「陶芸」と「写真集」という意外な組み合わせ。
一般的な感覚ではどうなのかわかりませんが、私の中では「陶芸」と「写真集」にはかなり距離があるように感じられます。ギャラリーの方なので、今まで色々なモノを見て、その「眼」を養っているのかもしれませんが、どうしたらそのような距離のあるものを結び付けて提示できるのでしょうか。

その組み合わせに驚くと同時に、写真集が陶芸に良い影響を与えることがあるのならば、靴作りに良い影響を与えることもあるかもしれないと思うようになったのです。

それまでは美術書といえば、古物や骨董の資料になるようなものしか購入してこなかったので、まずはネットでどのような写真集があるのかを調べることから始めました。写真家についても同様に。

こちらは古物・骨董関係のもの。主に図録です。
「古く美しきもの」
「My Foolish Heart -愚かなりし我が心-」
「獅子と狛犬 -神獣が来たはるかな道-」

ただ、あまり調べすぎても面白くないですし、興味のないものを買っても仕方がないので、買ってみようと思うものは感覚的に好きかどうかで判断することにしました。

その結果、人々の普段の営みが写された写真が好みであることが分かりました。
ファッション主体の写真ならば、各時代の服装等を見ることができて直接的に参考になるかもしれませんし、動物や植物の写真ならば、造形的に得るものもあるでしょう。ですが、どうやら私の好みはそういうものではないらしいのです。静謐な風景が写っているものを良いと感じるときもありましたが、やはり被写体には人物が写っているものに面白さを感じてしまうのです。

こちらは最近購入した写真集です。
「Intimes Convictions」Sabine Weiss
「The English」Ian Berry
「Paris Carnet de Recherche」Krass Clement 

そのように、自分の好みと感覚をたよりに、少しずつ買っている写真集。
果たしてそれらが靴作りを私の生活にどう影響していくのか。
現時点ではまだわかりませんが、いつか得られるものがあるのかもしれません。
今は、その時が来るのを楽しみに、時間のあるときにページをめくることにしています。


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