- ブログ -

革靴を長持ちさせるためにできる いくつかのこと

靴に限らず、「オーダーメイド=一生もの」という意味合いの言葉をよく耳にします。
一生ものというのは大げさかもしれませんが、時間と手間をかけてしっかりと作られたものが長持ちするのは間違いありません。
しかし、せっかくオーダーで手に入れたものでも、定期的なお手入れを怠ったり適切な使い方をしなかったりすると、すぐに使い物にならなくなってしまいます。靴の場合は、型崩れしたり、履き心地が悪くなったりということになります。

今回は革靴を長くご愛用いただくために、気をつけていただきたいことを、ちょっとしたポイントも含めていくつかご案内いたします。

靴べらを使うこと

ひとつめは、靴べらを使っていただくこと。
これは、靴を履くときに踵部分に入っている芯を潰さないようにするためです。
本来、オーダーの靴に限らず、サイズがぴったりな紐靴は靴べらを使わないと足を入れられないことが多いので、必然的に使うことになるかと思うのですが、靴べらが手元になく無理してしまうことや、急いでいて無精してしまうこともあるものです。

○シューホーン(blackbrowndark brown) / Cacica

お出かけ先で使うように折り畳みタイプの靴べらを携帯しておくのも良いですし、どうしてもない場合はハンカチ等でも代用しても良いのですが、できるだけ踵の芯は潰さずに履いていただくと、履き心地も損なわず、靴が長持ちします。

靴べらを使う時、使い慣れないためか、靴の中敷に靴べらの先端がぶつかるまで差し込んでしまう方がいらっしゃいます。
そうすると、足が入ったタイミングでうまく靴べらを抜くことが出来ず、靴に負荷がかかってしまうので、靴べらは靴の履き口にそっと添えるように浅く入れていただくと良いかと思います。


足が入るのとほぼ同時に、添えられた靴べらが抜けると履き口が傷みにくくなります。

できるだけ同じ厚さの靴下を履くこと

靴のフィット感に大きく影響するのが靴下の厚さ。
季節によって、薄め・厚めと靴下を変える方も多いかと思います。
そんな時、多少の厚みの違いでしたら問題ないのですが、例えばウールの厚手の靴下や、複数枚の靴下を重ねて履いてしまうと、靴に負荷がかかり、履き口をはじめ、全体的に革が伸びてしまいます。
特に柔らかい革でできた靴の場合は顕著で、薄い靴下で履いた時にブカブカになっていた、なんてことにもなりかねません。

Cacicaの靴ではカジュアルラインで使用している馬革が柔らかく、伸びやすいのでご注意ください。

靴紐を使うこと

3つめは、靴紐を使っていただくこと。
靴を履くときには足を入れてからしっかり締め、脱ぐときには紐を緩めてから足を抜きましょう。

紐を結ぶことによって甲の部分のフィット感を高めることができるのですが、それをしないと足が前に滑ってしまい踵が抜けたり、指が前や横にあたったりしてしまいます。
また、踵が動いてしまい擦れて履き口のステッチが切れる原因にもなります。
それらを防ぐためにも、是非とも靴紐を締めていただきたいのです。

靴紐を締める時は、足をしっかりと後端に寄せてから締めるのも重要です。
オーダーの靴では足に合わせて靴を製作しているので、後端に隙間があることはほとんどありませんが、念のため。

新しい靴を履く際に、靴紐を締めてもすぐに解けてしまうことがありますよね。
そんな時は紐に塗布されているワックスがまだ馴染んでいないことが原因ということが多いので、指先に水を少しつけて…

結び目がくるあたりの紐をほぐしてあげると、結びやすくなります。

靴を脱ぐときは自宅に帰っていて疲れていることもあるかと思いますが、面倒がらずに紐を緩めてから脱いでいただくと、靴の履き口に負担がかかりません。

同じ靴は続けて履かないようにすること

履きやすい靴が玄関にあると、ついそればかり履きたくなりますよね。
ただ、毎日同じ靴を履くのは、靴にとってあまり良いことではありません。

足は一日にたくさんの汗をかきます。
しっかりと作られた靴は中底が厚みのある革でできているため、その中底(内側の足が乗っている革)が汗を吸収してくれるのが良いところです。

しかし、同じ靴を2日以上続けて履いてしまうと、その汗が革から抜けることなくとどまってしまい、その結果、銀面(革の表面)が割れてしまうことがあるのです。お気に入りの靴を毎日履きたい気持ちは分かりますが、一日おき、できれば間に2日くらいあけて履いていただくのが望ましい頻度です。
オーダーで同じ履き心地の靴を複数足お持ちの場合は、それらの靴でローテーションを組んでいただくと、履き心地の差が少ないので快適に履いていただけます。
宣伝のようになってしまいますが、そのような観点からもリピートオーダーはオススメです。

型崩れを防ぐためのシューツリーを入れる方もいらっしゃるでしょう。
その際も履いてすぐではなく、少し時間をあけて靴の中の湿気を逃がしてから入れていただくと良いかと思います。

履いた靴をお手入れすること

最後は靴のお手入れについてです。
靴は同じ革製品の鞄や財布等に比べると、地面に近い分汚れやすく、また動きが大きい分傷みやすくもあります。
そのため、適宜、お手入れをしてあげてください。
靴磨きというと難しく考えがちですが、基本的には埃や汚れを落としてから、クリームを入れてあげるだけでも問題ありません。
靴のお手入れについては、詳しく書くと長くなりそうですので、また別の機会にブログで改めてご説明させていただきます。

小さなことの積み重ねです

以上、靴を履く際に気をつけることと、そのポイントをお伝えしました。
いずれも一つ一つみれば小さなことですし、革靴に慣れ親しんだ方にとっては基本的なことかもしれませんが、革靴を長持ちさせるにはとても重要なことです。
お気に入りの靴を履くときに是非お試しください。長い間、快適に履いていただけると思います。


▽ こちらの記事もおすすめです

関連記事一覧

PAGE TOP