靴のオーダーをご検討いただく際、気になること、確認しておきたいことは色々あるかと思いますが、その中でも「どのような素材が選べるのか」は重要度が高いのではないでしょうか。
Cacicaでは、サイト上の靴のオーダーの各ページで革を数種類ご紹介していますが、革の在庫は変動しているため、すでに在庫がなくなってしまっているものもあります。
本当は、サイトを常に最新の状態にしておくのが一番良いのですが、革が揃っている状態と写真を撮れる時間、サイトを更新するタイミングがうまくかみあわず、更新が遅れているのが現状です。
そんなわけで、新しく入荷した革は、ブログにて少しずつでも紹介していくことにしました。
国産タンニンキップ
一昨年に、残念ながら廃盤となってしまった国産のタンニンキップ。
タンナーにまだ僅かに在庫が残っているとのことなので、折をみて細々と在庫を買い取らせていただいています。
今回仕入れたのは、チャコールとネイビー。
オランダ原皮の細やかな肌理、タンニンなめし/アニリン仕上げの透明感、少量のオイルによるしなやかさ。本当に素晴らしい革です。
チャコールは光の加減で薄茶っぽくも緑がかっても見える不思議な色味。
ネイビーは一見暗く見えますが、テンションがかかるとその部分とそうでない部分の濃淡が綺麗です
どちらも現在の在庫は一枚ずつ。チャコールは現時点で一足分使用済みです。
その他、ご希望の色がありましたら、お問い合わせいただければ在庫を確認いたします。
国産タンニンキップ廃盤については下記をご覧いただけると良いかと思います。
※国産タンニンキップはデッドストックとなるため、現在、オーダーの際はオプションで追加料金をいただいております。ご了承ください。
オイルドキップ
上記の国産タンニンキップの後継となる革を探している時に出合った革です。
こちらの革はクロムなめしですので、銀面(革の表面)に革らしい表情はあまりみられないかもしれませんが、原皮は国産タンニンキップと同様、キップ(中牛)サイズですので、繊維の密度は同等です。
原皮はデンマーク産。
飼育方法の違いから、オランダ原皮よりもやや肉厚でしっかりした感じがしますが、その名の通りオイルが入っているためしなやかで、足にあたりそうな硬さはありません。
生活に則した実用靴にはちょうど良いのではないかと思います。
色は、黒・ネイビー・茶・焦茶の4色展開です。
こちらが茶色の革
少しくすんだような感じがして、個人的に惹かれます。
作ってみなければわからないこともあるので、サンプル製作中です。
※オイルドキップを少し薄くして、柔らかくなるように繊維をほぐしたソフトキップもご用意しています。足が小さめな方や、柔らかめな履き心地が好みの方には、こちらの革の方が良いかもしれません。ソフトキップの色展開は黒と焦茶の2色のみとなります。
アニリンステア
タンニンなめししたステア(成牛)サイズの革に染料を入れ、アニリン仕上げを施してあります。
最初にご紹介した国産タンニンキップと同様、透明感のある表情が良いですね。
今回仕入れた色は、キャメルとブルー。
靴を製作する頻度を考えれば黒、焦げ茶あたりから揃えたいところですが、こちらの革は暗めの色展開がありません。革も柔らかいので、大人の靴ではなく主にベビーシューズの製作に使っています。
まずはキャメルから。
わざとらしく作ったようなムラはなく、自然な濃淡のある銀面です。
ブルーもご覧ください。
こちらにも柔らかな濃淡が見られます。
同じ革ですが、色調の違いからキャメルより透明感が伝わるのではないかと思います。
ひとつ前の投稿でご紹介したブルーの革を使ったベビーシューズです。
他の革と組み合わさり、靴の形になるとまた違った印象になりますね。
革の仕入れが難しい状況ですが…
今回仕入れた革は、いずれも国産です。
以前のブログにも書きましたが、革を仕入れる際に重要視しているのは、「品質」と「価格」のバランスなので、現在のような円安・物価高が続くかぎり、ヨーロッパ産の革は、なかなか仕入れリストには入りません。
革業界を取り巻く状況も、年々変化していますので、そのあたりも含めて情報を集め、国産・海外産を問わず、より良い革を取り揃えていきたいと思っています。
また新しい革が入りましたら、ブログにてご紹介させていただきますね。
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