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オーダーの自由度と最適化

パフェの話

昨年末、自分好みのパフェをカスタムしてオーダーできるというお店に行ってきました。
例えば上に乗るマカロンやメレンゲから、アイスやフルーツ、ソースまで、それぞれの選択肢の中から好きなものを選んでオーダーできるというものです。
組み合わせは、選択肢10パーツ×59種類で、3969万通りだとか。

私がオーダーしたパフェはこちら。
とても綺麗に盛り付けていただきました。

食べてみて思ったのは、「おいしいけれど、なにか物足りないな」ということ。自分の好きなものを好きな組み合わせで選んでいるので、それはおいしいに決まっていますが、なんというか、どうも味が単調に感じてしまうのです。

普段そこまでパフェを食べることもないので偉そうなことも言えませんが、パフェは、食べ進めていくと味が色々と移り変わり重なっていって、そういう奥行きや物語性をも楽しむものだと思うのです。
そういう視点からみると、やはりプロが素材を選び組み合わせて、最初から最後まで作り上げるパフェは一味も二味も違うなと感心してしまったのでした。

※上記、私自身の個人的な感じ方・考え方です。念のため。

靴の話

こんな時、いつも私は自分の仕事のことを考えてしまいます。
靴のオーダーに照らし合わせると、これは自由度の高さと最適化の話になるのではないかと思い至りました。上記のパフェの話でいうと、パーツの組み合わせの多さ=自由度の高さ、素材を活かし奥行きを作り上げること=最適化ということができます。

もちろん、自由度の高さと最適化、どちらも最高値で取り入れれば理想的な一足ができるのかもしれませんが、それでは納期も長く、価格も高くなってしまいます。では、靴をオーダーするのに、両者のバランスはどのように考えれば良いのでしょうか?

オーダーメイド=自由度の高さ?

ひと昔前は靴のオーダーというと、自由に好きな形やデザインで靴を作れるというイメージをお持ちの方も多かったように思います。「オーダーメイドは我儘を叶えてくれるもの」という印象が強かったのでしょう。

実際、私もそのような依頼を受けて製作したこともあります。
ただ、それだと話し合いや悩みはデザインに関することが多く、また、デザイン上の制約でフィッティングに良くない影響が出てしまうこともありました。

そのような経験から、「自由度の高さ」の方にバランスが偏ってしまうと、履き心地の面で犠牲になる部分が大きいように感じています。

ただ、最近はオーダー靴というものが認知され、オーダーの靴の市場も以前からは考えられないくらい成熟しているので、ほぼ全てのお客さまがデザインよりもフィッティング重視の方になりました。

オーダーメイド=足への最適化

Cacicaで靴のオーダーの主軸となっているスタンダードラインでは、木型はお客様の足に合わせて製作しますが、モデルは昔からある伝統的な靴のバリエーションの中から選んでいただく形を採っています。
お客さまの持つ選択肢は少なくなってしまいますが、デザインの面で時間や手間をかけない分、フィッティングに力を注ぐことができるようにしているのです。「最適化」を重視したバランス。今はこれが良いと思っています。

仮合わせを通して、履き心地のあれこれを話しあい、より良いフィッティングを目指していくこと。表から見えない部分まで、足に合わせて履き心地を最適化していくこと。それこそが、靴をオーダーする醍醐味なのではないかと考えています。

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