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HAAS社のフレンチカーフ その2+DEGERMANN社の革

さて、「その1」から間が空いてしまいましたが、フランス・HAAS社のフレンチカーフの紹介です。
※前回の投稿は下記をご覧ください。

革らしい革です

今回もスムースレザーからいきましょう。
こちらは「NEVADA(ネバダ)」という革。

どちらかといえば銀面の光沢は控えめですが、風合いのある仕上げが印象的で、原皮の良さを感じられるような革だと思います。(ちなみに、HAAS社の革の原皮は100%フランス産です。)
前回紹介した「CHEVERNY」と比べると、しなやかでややコシがあります。
色は個人的な好みでCAFEという色を仕入れてみました。
普遍的で使いやすい色だと思います。

実は「NEVADA」はバーニッシャブルカーフ/レザーと呼ばれる革で、焦がし加工ができるのです。
元々は、ややグレーがかった茶色ですが、強く擦ると摩擦熱でその部分の色が濃くなります。
おそらく銀面(革の表面)が素上げに近い状態で、起毛とはいわないまでも、肌理を少し立たせたような仕上がりなのではないかと思います。
そのためクリームの色もよく入り、クリームで磨くだけでも色調を変えることが可能です。

魅惑の粒感

続いては「DERBY(ダービー)」。
細かな凹凸のある型押し革で、本来は靴用ではありませんが、タンナーの方に伺うと、靴にも問題なく使用できるとのこと。繊細な表情で、高級感があります。
今回紹介する中では一番硬さの感じられる革質ですが、使ってみたいと思わせる一枚です。

仕入れた色味は使いやすさを考えて黒。前回紹介した「CHEVERNY」とコンビにして、素材感の対比を楽しんでいただくのも良いかもしれません。

お隣のタンナーの革も

最後にもう一枚。
こちらはHAAS社の革ではなく、同じくフランス・アルザス地方のタンナーであるDEGERMANN社の革。両社は距離的に近いため、交流もあるそうです。
※「DEGERMANN」は、フランス語の「R」が入るためカタカナ表記が難しいですが、日本の革屋さんでは「デギャーマン」とされるようです。

仕入れた革は「DAUPHINE(ドーフィン)」。上で紹介した「DERBY」に似ていますが、革質はいくらか柔らかめ。型押しのニュアンスも少し違うように見えます。型押しの革は傷ができてしまったときに、目立ちにくいのも良いところですね。

在庫にあるのは焦げ茶色。たぶんCAFEという色名だったと思いますが、もしかしたら違うかもしれません。上でご紹介した「NEVADA」よりは一段深い茶色です。

サンプルはこちら

この「DAUPHINE」で製作したサンプルが下のホールカットになります。

切り返しのないホールカットは、型押し革の存在感を十分に感じられる仕様。
明るめのマスタードカラーをアクセントとして、履き口の玉縁とカンヌキに配しています。

ヒール部分は最後端に縫い目が来ないように、内側に継ぎ目を振り、少しだけ個性を出してみました。こちらの靴はスタンダードライン<レザーソールパッケージ>でオーダーいただけます。

現在、工房にあるフランス産の革は以上です。
どの革も在庫は少なめですので、気になるものがありましたら、お問い合わせください。

このような状況下では、次に仕入れられるのがいつになるかわかりませんが、機会があればまた仕入れたいと思っています。その際は、またご紹介させていただきますね。

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