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カジュアルラインって、こんな靴 その2

さて、前回に引き続き、カジュアルラインのお話。
今回は各モデルの紹介から始めたいと思います。

※前回の記事はこちら。

モデル

展開当初のモデルはサイドレースとダービーの2つでした。

サイドレース

サイドレースは個人的に好きな形だったので、当初はスタンダードラインにと考えていました。ただ、一枚の革で足の甲を覆うのは、革の素材や足の形によって難易度が変化するため、スタンダードラインでの展開は躊躇していたのです。柔らかい馬革を使い、決まった形の木型で製作するなら、製作の際の難易度もそれ程高くない。そう思ったらすぐにパターンを引き、あっという間に一つめのモデルが決まっていました。

紐穴には小さめのハトメ、開き留まりにはベロを縫い付けるための三角形のステッチが入り、良いアクセントになっています。

※この記事では、各モデルの画像は試着サンプルを使ってみました。
色々な方に試着していただいているので、皺の入り方が乱れていますが、少しでもオーダーの参考にしていただければ幸いです。

ダービー

一つめのサイドレースがどちらかというと個性的なので、二つめのモデルは普遍的なものにしようと思いました。サイドレースは足の甲が高めの方には適合しないことがあるので、甲高の方にも履いていただけるよう、二つめのモデルは甲の中央部が大きく開く外羽根のモデル、ダービーになりました。

サイドレースと同じくシンプルな形にしたかったので、羽根部分も最小限。紐穴も3対です。
羽根まわりのラインも少しだけ柔らかめな雰囲気になるよう心掛けました。

フロントエラスティック

カジュアルラインを展開してしばらく経つと、お客さまからご要望がありました。
それは、スリッポンタイプのモデルを作ってもらえないか、ということ。
日本は靴を脱ぎ履きする文化ですし、その機会が多いお店の店員さんや、脱ぎ履きに手間や時間をかけられない子育て中の方に、紐靴という選択はなかなか難しいのかもしれません。

そんなお客さまのご要望から生まれたのがエラスティックというモデル。
外羽根の靴の片側が伸びて甲の部分を覆うような形の靴です。
パッと見ただけではどんな構造になっているのかわからないかと思いますが、覆われた甲部分の下にエラスティック(ゴム)が仕込まれていて、楽に脱ぎ履きができるようになっているのです。
平たく言うと、ゴムの入ったスリッポンですね。
足がむくみやすいという方にも良いかもしれません。

構造上、フィッティングは紐靴ほどピッタリとはなりにくいため、靴下等でお好みのフィット感に調整していただけると良いかと思います。

サイズ

前の投稿でも書きましたが、カジュアルラインは当初、女性向けに製作したので、サイズ展開はレディースのみの22cm~24.5cmでした。

カジュアルラインのお披露目は、クラフトイベントだったと思います。
屋外のイベントだったため、試し履きしていただくのは難しい環境でしたが、手に取っていただいたお客様からはとても好評でした。
何より驚いたのが、男性のお客さまからの評価が高かったこと。
嬉しかった半面、レディースサイズしかないことをとても申し訳なく思いました。

それからもイベント等でのお客さまのご要望が多かったので、後発でメンズサイズの展開も始めることになりました。おかげさまで、現在は男性のお客様にもご愛用いただいております。

ただ、当初のコンセプトが「軽く」「柔らかく」というものだったため、ボリュームのある男性の足ですと、革の方が負けてしまうのです。もっと直接的に言うと、足を支えきれず革が伸びたり変形したりしてしまうということです。

あとは、あまり大きなサイズですと、靴自体のパターンバランスが崩れて、間延びした印象になってしまうということもあります。そのため、現在もサイズ展開は26cmまで。
26cm以上の足の方からも履きたいというご要望をいただくのですが、当初のコンセプトから決めてしまった仕様ですので、今のところ、仕様変更して対応するということは考えておりません。
いつかのための課題として、心には留めているのですが…。

最後に

こんな方にオススメです

長くなってしまいましたが、展開した経緯から説明させていただいたことで、カジュアルラインの特徴が伝えられたかと思います。見た目も履き心地も、かっちりと改まった革靴という感じではありませんので、普段スニーカーを履いている方や、革靴初心者の方も、生活に取り入れやすいのではないかと思います。

また、革が柔らかいので、硬い革靴だと骨の張り出し等で痛みが出てしまうという方にも好評です。
※足の状態によっては不具合が出てしまうこともあるため、オーダーをお受けできない場合もあります。
ご心配でしたら試着の際にご確認・ご相談ください。

試着してみてくださいね

本来は受注会等のイベントを定期的に開催したいのですが、現在の状況では難しいところでもあります。
Cacicaの工房では、随時ご試着いただけますので、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。
「カジュアルラインの試着をしたいのですが、〇月〇日か、〇日はどうですか?」という感じで書いていただくと良いかと思います。
アポイントを取るのは緊張する、という方は、毎月20日~月末のショップオープン期間にお越しいただくことも可能です。

革靴を好きになっていただきたくて展開しているカジュアルライン、多くの方に試していただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。


▽「カジュアルラインって、こんな靴 その3」追記しました

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