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Richard Hoffmans社の革 入荷しました

少し前に、スタンダードライン(レザーソール / ラバーソール)にてお選びいただける革を買い付けましたので、ご紹介させていただきます。
ドイツのRichard Hoffmans社の革です。
ヨーロッパ産の革はHAAS社 / DEGERMANN社の革を仕入れて以来なので、数年ぶりの取り扱いとなります。

Richard Hoffmans社について

Richard Hoffmans(リチャード・ホフマンズ)社は、オランダやベルギーに程近い、ドイツ北西部の都市ネッテタール近郊にて1899年に設立されたタンナーです。5世代続く歴史あるタンナーの一つで、厳格な基準に基づいたヨーロッパ産原皮を使用し、高品質な皮革を生産しています。皮革業界団体「レザーワーキンググループ」に加盟しており、環境への配慮や使用する薬品の安全性など、多くの項目で厳格な国際基準を満たした製革業者にのみ付与される最高水準のゴールド認定を授与されています。

ヨーロッパでは環境問題により、一時期に多くのタンナーが廃業しました。
また、近年ではフランスを中心に多くのタンナーが大手ブランド資本の傘下に入っていますが、リチャード・ホフマンズ社は現在も創業家の資本で経営がなされている数少ないタンナーです。

ドイツカーフ「ENVY」について

今回入荷したドイツカーフ「ENVY(エンヴィ)」はクロムなめしのスムースレザーですが、ドイツのクロムなめし革と聞いて想起されるボックスカーフとは少し性質が異なります。

一般的にボックスカーフは、クロムなめしを施した後、染料を入れずに銀面(革の表面)にのみ顔料で色をつけたスムースレザーを指します。
革の内部にまで色を入れないことで強度を保ちますが、顔料仕上げのため、革らしい風合いはあまりありません。

一方、こちらのENVYはアニリン仕上げ。
つまり、クロムなめしを施した後、内部にまで染料を入れて、透明な塗膜で覆う仕上げがされているのです。
そのため、革の風合いを損ねることがなく、つやのある仕上がりとなっています。

使われている原皮はヨーロッパ産のカーフ。
きれいな革目を活かした良い仕上げだと思います。

革の内部にはオイルを入れ、しなやかさと強度を補っています。
床面(革の裏面)に触れていただくと、かなりしっとりしているのがお分かりいただけると思います。

初回となる今回は、「ブラウン」と「タン」を仕入れました。

ブラウンは、焦茶寄りの濃いめの色。
こちらは個人的な好みで仕入れています。

タンはベージュと言っても良いほどの薄い茶色。
誤魔化しのきかない色味なので、革の良さを充分にご覧いただけるはずです。
革の表情をうまく写すことができなかったので、こちらはあとでサンプルの靴を作ってみたいと思っています。

「ただただ均一というのでは面白味がない、かといってわざとらしいのもちょっと…。」
私自身もそうですが、そのようなバランスの良い綺麗な革を探している方も多いのではないでしょうか。
今回の革はまさにそんな方にうってつけ。
革らしさが存分に味わえます。

まだ国内で取り扱っている靴工房は少ないはずですので、靴のオーダーをご検討いただけるようでしたら、是非、Cacicaにて実際の革をご覧ください。


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