少し前から考えていたスタンダードラインの新しいモデルが完成しましたので、早速、ご紹介させていただきます。
新しく作ったのは「外羽根3穴」のモデルです。
以前からCacicaのサイトやInstagramをチェックしていただいている方は、「それって、前からなかったっけ?」と思うかもしれません。
確かに外羽根3穴のモデルは以前から展開しています。
こちらですね。

新モデル詳細
以前から展開していたモデルは、スリムで鋭角的なラインを意識したシンプルなもの。
「外羽根だけどカジュアルな面持ちではない」というところがお客さまからも好評なので、展開して良かったと思うモデルなのですが、日々製作しているうちに、もう少し柔らかな曲線が主体のモデルもあっても良いのではないかと思うようになりました。
ということで、今回完成したモデルがこちらです。


一番の特徴は、ショートウイングチップと呼ばれるつま先の切り返し。
ウイングチップといえば、フルブローグのつま先に使われる意匠としてよく目にするものですが、それを短くしたのがショートウイングです。

職人さんによってバランスも異なるのですが、私の場合は半端な長さにして指があたってしまったり、そこから革が裂けてしまうことがないよう、かなり短めにしてあります。
見た目の重厚感が軽減されて、少し愛嬌のある雰囲気になっていると思います。

踵にはつま先と呼応するような、控えめな革の切り返しを持たせました。

羽根はふんわりと膨らみを持たせて、付け根部分は本体の内側に入り込んでいるような形に。

ソールのウエスト部分は紫で染めてみましたが、青っぽい仕上がりになりました。
本来はもう少し赤みが出る予定でしたが、これはこれで素敵ですね。
重厚感があるというより、軽めの雰囲気になったので、アッパーのカジュアルな感じとの相性も良いのではないでしょうか。
今回使用した革は、先日入荷したRichard Hoffmans社のENVYです。
詳細は下記の記事をご覧ください。
革によって雰囲気も変わります
サンプルのように革を2種類使ってコンビにしても素敵だと思いますし、もちろん単色でもお作りいただけます。

焦げ茶のヌバックで部分サンプルを作ってみました。
起毛の革を使うとどこか大人びた印象になりますね。

片面だけですが、木型に沿わせて立体にしてみるとこんな感じ。
控えめに飾り穴を開けても少し華やかな仕上がりで良さそうです。
使う革によって、色々な可能性がありそうなモデルになったと思います。
レザーソールでもラバーソールでもお作りいただけますので、いままで展開していた外羽根3穴のモデルと併せて、ご検討いただければ幸いです。
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