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カジュアルラインって、こんな靴 その3

少し前に投稿した「カジュアルラインって、こんな靴」ですが、すっかり書き忘れていたことがありましたので、補足です。

※「その1」と「その2」は下記リンクからどうぞ。

もう一つの革

書き忘れていたことというのは、もう一つの革の存在。
カジュアルラインのメインの表革は以前の投稿でも書いたとおり馬革ですが、オプションとしてディアスキン(鹿革)もお選びいただくことができます。

こちらがその革です。色は白のみ。
本当は白い革も馬革で統一して揃えたかったのですが、あいにく馬革には白のラインナップがなかったので、白のみディアスキンとなりました。

白い革は染料で白の発色を出すのが難しいため、顔料仕上げになっているものが多く、中にはその仕上げのために銀面(革の表面)に硬さが感じられたりするものもありますが、このディアスキンはそのようなこともなく、染料仕上げなので自然な風合いです。

その魅力は、フワフワというかモチモチというか、何とも言葉では表現しにくいのですが、その質感にあります。
触れていただくと、銀面はサラサラとしていますが、中の繊維に柔らかな弾力があるのがわかります。
その感触は履き心地にもしっかり反映されますので、馬革とはまた違った履き心地は、是非とも試していただきたいところです。

靴磨きが好きな方もご安心を。
サラサラに感じられる銀面も靴に仕立てて磨くとしっかり艶が出てきますよ。

経年変化していく白

この革の特徴は、もう一つあります。
それは、経年変化していくということ。

このディアスキンはタンニンなめしなので、時が経つにつれて、革らしく変化していきます。
タンニンなめしは、その性質からベージュ~茶色に戻るような変化をするので、白い革は黄味がかってくるのです。
うっすらと日に焼けていく感じといえばわかりやすいでしょうか。

比べてみるとこんな感じ。
向かって左(ダービー)が箱に入れて保管している試着サンプルで、右(サイドレース)が数年着用しているものです。
思っていたよりも違いが写らないので、別の角度からもう一枚。

日光に当たらないように保管していたサンプルも、他の要因で経年変化が少しずつ進行しているので、もしかしたらパッと見ただけでは分からないかもしれませんが、実物では一目で分かるくらいの違いがあります。
この黄味がかった感じも古い靴のようでまた良い雰囲気なのです。

革のままだとこんな風に端の方から黄味がかってきます。

白い靴はなるべく真っ白のままが良いという方もいらっしゃいますし、革らしい経年変化を存分に楽しみたいという方もいらっしゃいますので、この辺りは好みが分かれるところかもしれません。

顔料仕上げの革も、顔料の性質変化により黄味がかってきますが、それとはまた異なる佇まいの靴。
感じ方は人それぞれですので、興味のある方は一度、実物をご覧いただくと良いかと思います。

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